2015/2/9特集

木密地域に切り札? 杉並区 セットバックに強制力  【不燃化特区の助成金】ヨシケイハウス


東京都杉並区のJR阿佐ヶ谷駅近くにある阿佐谷南地区、高円寺駅近くにある高円寺南地区は木造住宅が密集している地域が多く、古くからの住宅地の為に今でも車も通らないような路地が多くあります。

 

現在の建築基準法では、狭い道路に面した住宅を新築・改築する際には道路の中心より2メートル離れた地点まで建物、工作物を後退させること(セットバック・敷地後退)を義務付けているが、罰則規定が無く杉並区では1989年にこの後退部分の道路整備費を区で負担する条例を制定したが、建築基準法の表記があいまいなこともあり後退後のスペースを花壇や駐車場として使い続ける住民も多く道路の拡充は思うように進んでいないのが実情です。

 

その為、杉並区は昨年の11月に有識者による区の審議会が条例改正の可否について、「公共の福祉の観点から可能」と判断し2015年度、後退後の私有地を強制的に道路として整備できるようにする条例改正案を行う方針を発表しました。

 

今回の条例において土地の買い取りなどは行わず補償もしない方針との事です。

 

この議論は、昔からされてきていますが、憲法に保障されている財産権の侵害になるのではないかとの懸念が根強く、根本的な対策が取れていないのが実情です。

 

東京都には多くの災害時に危険と言われる住宅密集地があり、その是正のために色々な補助があります

 

【東京の木造住宅密集地域事情】

木造建物が密集している地域は、東京都内に約1万6000ヘクタールあり、東京都は23区内のうち28地域に約7000ヘクタールを「特に危険性が高い木造密集地」として位置付けています。
2012年には、「木密地域不燃化10年プロジェクト」と銘打って重点的に整備する地域を「不燃化特区」に指定し、杉並区では阿佐ヶ谷南や高円寺南も指定されています。
不燃化特区内においては、新築時に耐火建築物として立替えた際の固定資産税、都市計画税の減免拡充や古い既存住宅の撤去費用への助成を受けることのできる制度が設けられました。

特区の指定は現在事業実施中の39地区から2015年の春には、下記の52地区まで広がる見通しになっています。

【不燃化特区一覧】

※2015年4月以降の見通し
文京区:大塚5丁目・6丁目地区
墨田区:押上2丁目地区
品川区:放射2号線沿道地区
品川区:補助28号線沿道地区
品川区:大井5丁目・7丁目、西大井2丁目・3丁目・4丁目地区
品川区:東中延1丁目・2丁目、中延2丁目・3丁目地区
品川区:補助29号線沿道地区(品川区)
品川区:豊町4丁目・5丁目・6丁目、二葉3丁目・4丁目及び西大井6丁目
品川区:旗の台4丁目・中延5丁目地区
品川区:戸越2丁目・4丁目・5丁目・6丁目地区
品川区:西品川2丁目・3丁目地区
北区:赤羽西補助86号線沿道地区
北区:十条駅西地区
北区:志茂地区
杉並区:方南町1丁目地区
杉並区:杉並第六小学校周辺地区
足立区:足立区中南部一帯地区
足立区:西新井駅西口周辺地区
江戸川区:南小岩南部・東松本付近地区
江戸川区:南小岩7丁目・8丁目周辺地区
江戸川区:松島3丁目地区
江戸川区:平井2丁目付近地区
大田区:補助29号線沿道地区(大田区)
大田区:羽田2丁目・3丁目・6丁目地区
大田区:大森中(西糀谷、東蒲田、大森中)地区
世田谷区:太子堂・若林地区
世田谷区:太子堂・三宿地区
世田谷区:区役所周辺地区
世田谷区:北沢5丁目・大原1丁目地区
豊島区:雑司ヶ谷・南池袋地区
豊島区:東池袋4丁目・5丁目地区
豊島区:池袋本町・上池袋地区
豊島区:補助26号線・172号線沿道地区
新宿区:西新宿5丁目地区
台東区:谷中2丁目・3丁目・5丁目地区
墨田区:京島周辺地区
墨田区:鐘ヶ淵周辺地区
江東区:北砂3丁目・4丁目・5丁目地区
目黒区:原町1丁目・洗足1丁目地区
目黒区:目黒本町5丁目地区
中野区:弥生町3丁目周辺地区
中野区:大和町中央通り(補助第227号線)沿道地区
荒川区:荒川2丁目・4丁目・7丁目地区
荒川区:町屋・尾久地区
板橋区:大谷口1丁目地区
板橋区:大山駅周辺西地区
葛飾区:四つ木1丁目・2丁目地区
葛飾区:東四つ木地区
葛飾区:東立石4丁目地区
葛飾区:堀切2丁目周辺及び4丁目地区

【不燃化特区の恩恵】

不燃化特区で解体のみの場合

区から防災上危険な建物であると認定を受けている場合、既存建物を解体し更地化した場合は5年間、住宅敷地並の税額に軽減されます。(但し毎年6月30日までに減免の申請をする必要あり、住宅を解体した年の1月1日時点の土地の所有者が、減免を受けようとする年の1月1日において引き続き所有していること、また、適切な土地の管理がされ、防災上有効な空地として適正に管理されていること区から証明されていることが条件になります。※家屋等の建築、コインパーキング等の収益事業に活用した場合は翌年度より非住宅用地の税額になります。)

建替えの場合

建て替えの場合対象建物の固定資産税・都市計画税が5年間 10割減免

1.建替え前の家屋について
(1)不燃化特区内に所在すること
(2)家屋の構造が木造または軽量鉄骨造であること(2以上の構造がある場合には、木造または軽量鉄骨造の床面積が総床面積の2分の1以上である必要があります。)
(3)不燃化特区の指定日以降に取り壊されていること※
※ただし、①②の場合は、一定の期間内に取り壊されている必要があります。
① 住宅を新築した後に家屋を取り壊す場合:住宅を新築した日から1年以内
② 平成32年4月1日から平成32年12月31日までに住宅を新築した後に家屋を取り壊す場合:平成33年3月31日まで

2.新築した住宅について
(新築したマンションを購入した場合も、要件に該当すれば減免されます。)
(1)不燃化特区内に所在すること
(2)耐火建築物または準耐火建築物であること
(3)検査済証の交付を受けていること
(4)新築年月日が不燃化特区の指定日から平成32年12月31日までであること
(5)住宅の居住部分の割合が2分の1以上であること
3.所有者について
新築された日の属する年の翌年の1月1日(1月1日新築の場合は同日)において、建替え前の家屋を取壊した日の属する年の1月1日における所有者と、同一の者であること※実は一定の緩和要件もあります。

戸建建て替えの際の助成金

不燃化特区内において構造によって指定された年数を経過した建築物を解体後、新築する際には以下の助成金を受けることが出来ます。

1建物の解体費・敷地整地費用 最大150万円(※区が定める1平米あたりの上限単価があるので注意。)
2新築戸建の設計費用及び工事管理費の実費または、新築建築物の規模及び構造に基づき区が算出した額の45% 最大100万円

両方の併用は可能な為、最大250万円もの助成金がもらえる計算に!

助成対象は以下の通り

 

自己使用住宅からの建替えかつ、当該建替え後の建築物の延べ面積の2分の1以上が自己使用住戸である建替えで助成金申請時に概ね、以下の築年数を経過している物件。

●木造・・築15年以上  ●木造モルタル造・・・築14年以上 ●レンガ・ブロック造・・築25年以上 ●RC・SRC・・築32年以上 ●その他、区の調査によって危険であると認められた建築物。

 

※注意点
手続きにおいて、建替え助成金交付決定がされてから工事に入る必要がありますので、通常より期間がかかります。
また、申請前に対象の建築物の解体を行ってしまいますと助成金を受けれないので注意が必要です。

 

※注意点2
この支援制度と、不燃化助成金や耐震化支援事業との併用は出来ません。比較して有利な助成を選ぶことが出来ます。

 

 【耐震化支援事業ってどんなの?】

杉並区の場合、昭和56年以前に建築された、杉並区内の木造建築物かつ公共施設や大企業所有の建物ではなく杉並区または特定木造耐震診断士による精密診断結果に基づき耐震改修を計画している建物であり、耐震改修工事にかかる他の補助金を受けておらず、工事に着工していない建物について耐震改修に要した費用の内2分の1(エリアにより上限最大150万円)の助成を受けることが出来ます。

 【不燃化助成金ってなに?】

震災救援所となる区立小・中学校周辺やそこに至る緊急道路障害物除去路線沿い等で耐火性能の高い建物を建築する方に建築資金の一部を助成する制度。
対象エリア(1)震災救援所の敷地境界線から10メートルの区域(2)区が指定する緊急道路障害物除去路線の道路境界線から10メートルの区域(3)阿佐谷南・高円寺南地区 において、※法律等に基づき耐火建築物及び準耐火建築物とする場合を除き耐火建築物及び準耐火建築物を建築(増築、改築を含む)する場合に、(つまり耐火・準耐火にする必要のない地域で自主的に準耐火・耐火建築物を建てる・改築で行う場合)準耐火建物の場合最大100万円、耐火建築物に対しては最大250万円が助成されます。※ただし対象床面積が25平方メートル以上であり、当該建築工事費が500万円以上である必要があります。

これだけ恵まれた制度があるものの、木造住宅の密集している地域は、建築基準法上の道路接道を満たせないものや、敷地が共有の借地権になり承諾や同意の取得など権利が複雑化している地域も多く、またすでに所有者が高齢の住民も目立ちます。
このような方にとって建て替えは、多大な費用が掛かることもあり必要性が感じられない、現実的に費用の捻出が不可能である点から建て替えが容易には進んでいかない現実があるようです。

これらの制度の多くは、中古戸建を購入して解体、新築する場合でも利用可能です。
ですが、不動産屋や建築業者でも把握していないことが多々あります。
使える際には魅力的な制度になるので必ずその地域の行政庁でどんな制度があるのかをチェックするようにしましょう。

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